「空き」情報

里山資本主義」というらしい。
田舎は、日本の最先端を走っている、
地域資源を活用した田舎暮らしで、
一人ひとりの意識と生活様式が変化し、
地域が、そして日本が再生。



田舎は、”宝” がいっぱい眠っている。
手がつけられていない山、
耕作放棄地、
人が住まない空き家。
これらのスペースを自由に使って暮らす、
非常に贅沢な暮らしになる、と。


田舎に住んでいると、
たしかにそういう状況なんだろうと、思う。
都会から、田舎を見たら、
桃源郷のようなイメージになるのだろう。
ただ、そうは思っても、
現実は、かなり厳しい。
いざ、こうしたスペースを確保し、
自由に使おうと考えると、
いつも、釈然としない気持ちになる。


ネット上では、
田舎は空き家、休耕地が豊富にある、
とされている。
そこで、田舎の空き家情報を探すのだが、
これが、なかなか見つからない。
古民家を改造して、
ゆっくりと田舎暮らしをと考えても、
出てくるのは、有料の不動産物件ばかり。
なかなか、望むものが見つからない。


空き家バンク」というサービスもあるようだが、
辿(たど)っていっても、
イメージとしての田舎暮らしは分かるのだが、
実際に使える情報が、ほとんどない。
地元の県や市のHPも、
利用できる物件など皆無だ。
これほど、空き家が増えていると言われているにも関わらず。


空き家や耕作放棄地などに関しては、
所有者も、利用したい人も、
どちらも費用をあまりかけたくない、
と考えている節がある。
したがって、不動産業者は仲介がしにくい。
(あまり儲けがでない?)


所有者にしてみれば、
業者に依頼するには、
それなりの改装などして、
利便性を高めることが求められる。
そこまでして、貸そうとか考えていない。
利用したい人は、
できるだけ低コストで、借りたい。
こうした背景が、潜在的に存在するのだろう。


空き家、耕作放棄地は、そこら中にあるにも関わらず、
借りて、有効利用したい人がいるにも関わらず、
両者をマッチングする仕組みが、
いまだに整備されていないようだ。
これをなんとかできないものか。
これから、もっと田舎暮らしをと考えると、
こうした両者のニーズを仲介する仕掛けが必要。


そもそも、自分自身がそういう家や土地を探している。
周りにも、そういう環境を希望する人たちもいる。
そして、住んでいるところは、田舎一色の場所だ。
仕組みがないなら、自分たちで作ればいい。


空いた場所や土地などを、
探している人に知らせる。
「空き」情報の提供だ。
不動産業者的なビジネスとしてではなく、
NPO的に、ボランティア的な動きから、
始めてはどうか。


ここら辺りから、
ボチボチ始めるときが、来たようだ。




→ 藻谷浩介 NHK広島取材班『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」
→ 「里山資本主義」動画NHK