キャリアカウンセラー

この言葉で検索すると、求人サイトが多くヒットする。
キャリアカウンセラーとは、求職者へ仕事紹介を行う人といった印象だ。
どうしても求人、求職といった言葉が踊る。
「キャリア」という言葉に原因がありそうだ。
それぞれが、自分の考える「キャリア」といイメージで発しているようだ。


キャリアカウンセラーを目指そうと思い学び始めた。
自分のこれからの仕事として選んだ側面はあるが、
それで就職相談をやろうとした覚えはない。
実際にハローワークなどの求人欄には就職相談員の文字が出ている。
私がやろうと思ったのは、
学校教育で取り残された若者の就職相談や、
失業者への就職相談だ。
ここであえて就職相談という言葉を用いたが、適切な言葉としては、
「キャリアカウンセリング」ということになると思う。
彼らたちと話ながら、単に就職先の相談だけでは足りない何かを感じていた。
「何か」について、そのときはわからなかった。


いま、教える立場からいったん退いて考えると、
彼らに必要だったのは、
彼らの気持ち、考えをゆっくり聴きながら、
一緒に人生を考えることだったのではないかと思う。
そして、自分がやりたかったのは、そういう意味での「相談」、
キャリアについてのカウンセリング(相談)だったと気がついた。


カウンセリングは個別の対応になる。
しかし現実は集団への働きかけが主だ。
キャリア教育、キャリア開発、キャリアアップ講座など、
キャリアカウンセリングと似て非なるものの側面も持つ。
私が見てきた人々は、こうした集団について行けなかった人々だ。
まず、「キャリア」の定義から始めること。
そして、そこから自分が目指す「キャリアカウンセラー」像を描こうと思う。