労基署

労働基準監督署へ事情聴取で行ってきた。
昨年就職した会社の給与未払いでの聴取だ。
研修会などで学んでいたが、まさか自分が当事者になるとは。
担当の方とお話ししながら、
なんとも不思議な巡り合わせに、感慨も深いものがある。



1年余りの充電期間を経て、ようやく再スタートを切ったのが昨年6月。
それから半年。
結果的には無給状態が続いた。
「なぜ」という問いかけは、ここではすまい。
事実は小説より奇なりのたとえ通り、
どんなに仕組んだとしても、あり得ない筋書きだった。
結果として、6ヶ月の給与未払い状態に。
この間、職場には労基署から何度となく調査に。
職安からも失業保険料が未納の催促。
さらに、債権者から、責任者は?


従業員は4人いた。
いずれも年初から給与未払い状態。
経営者は、言い訳の達人で、なかなか埒があかない。
常に、○○会社が援助するから、今年度末まで続ける...
破産宣言をすれば、次のステップに移行できるが、
その前に、従業員が持たなくて去っている。
結局、最後の2ヶ月あまりは、一人で事務所に。
要領を得ないまま、責任者への連絡係だ。
しばらくは電話応対していたが、
さすがに、経営者は今日も不在です、どこにいるかわかりません、
など繰り返せなくなり、電話は鳴りっぱなしに。
それでも、電気だ、ネットだ、電話だと、支払い請求の電話や手紙。
ついには、電話も止まり、いずれは電気も...
6ヶ月を目途にと、その職場を去った。


それからおよそ半年後、今日の事情聴取に。
事情をよく知っている前任者が、かなりの部分を説明していたため、
2時間あまりで聴取は終わった。
このあと、確認書類が届き、それを労基署に持参すれば、
未払い賃金の80%を、国が建て替えてくれるということだそうだ。


これまで、人に話したり、研修会で学んでいた内容を、
まさか自分が体験するとは。
文字通り、体験学習となった。
考えようによっては、今後こうした問題への共感性は、
間違いなく高まるので、貴重な体験と言えるのだろう。
結果オーライだとすれば、
昨年来のこうした歩みも、キャリアカウンセラーとしての資質向上に、
大いに役立つのかも知れない。
そう考えると、「逆境もまた楽し」の心境がわかってくる。