電気自動車

大好きな13日の金曜日だ。
あえて、突飛な話題を取り上げよう。
このテーマが、いままで書いてきた内容とは異質だと感じつつ、
コンセプトとしてはありだと思うのが、その理由だ。


電気自動車だそうだ。
エコ=オール電化、ノン化石燃料的な流れだが、
電気自体が究極のエネルギーなのかどうかは疑問だ。
しかし、現状の化石燃料を燃やしながら走る車は、
毎日乗っているが、おかしいな、と感じている。
これほど複雑なメカを、巧みに組み上げて動かすシステムは、
ただただ「スゴイ!」と、思う。
まさに技術の結晶だ。
それでも、なんだか複雑で、ゴチャゴチャし過ぎているようで、
もっと単純な解答があるのでは、と考えていた。
そこへ電気自動車が。


エコという観点からは、あまり興味はない。
誰もがパーツさえ集めれば作ることができる。
10数万円で制作が可能。
といった記事がネット上に掲載されているのを見ると、
たしかにコンピュータの発達にも似た道筋を考えてしまう。


電気自動車が普及すれば、日本の基幹産業である自動車業界はどうなる?
そこで働く数百万(?)人の労働者はどうすれば良いのだろう。
失業者と向き合う毎日だが、こうした人々は何を生業にすればいいのだろう。
これが素朴な疑問として起きてきた。


奇しくも、パソコンの黎明期からつき合ってきた
数ヶ月分の月給をつぎ込んで、不具合の多い機器を購入し、
これまた不具合の多いソフトを使って作業。
さらに、初めての人に機器の買い方から使い方まで教えてきた。
素人が簡単に扱える代物ではなかったコンピュータが、
誰でも当たり前に買って使えるようになるまで、
20年もかかっていない。
その間、携わった技術者、教師たち、販売店などは、
華やかなスポットライトを浴びながら、いつのまにか消えてしまった。


自動車業界が、コンピュータ業界の辿った道筋を歩み始めるのでは。
これが、この記事を書こうと思ったきっかけだ。
これは新たな産業革命になるではないか。
戦後、自動車産業でここまでの成長を遂げた日本。
そして、戦後最悪の不況に苦しむ日本。
次なる成長は、どこにあるのか。
そう考えると、答えは出てこない。
日本が直面している産業転換の行き先が不透明。
行き先がわからず、国も、企業も迷っている。


いま、ここで、個人が何をできるのか。
電気自動車を通して見えてくるのは、
産業構造の大きな転換点と、
その後に出現するであろう、
エンパワーされた個人の生き方の問題だ、という気がする。
国にも、企業、団体、組織にも頼ることなく、
自立した個人として、
明確な意志と決意をもって生きてゆく。
そういう覚悟が必要なときなのだろう。


>気になるリンク
 → みんな簡単に自動車製造に参入できるように言ってくれるが、それは、自作でPCが組み立てられたらサーバーメーカーになれる、っていうのと同じでは?
 → EV(電気自動車)の怖さは既存市場が混乱することではなく、新しい市場が生まれること
 → 「電気自動車時代」への転換で期待される「カンブリア爆発」と価値
 → EV(電気自動車)から生まれる新市場
 → 山東省製「13万円の電気自動車」に反応したメモ
>追加リンク(09.12.09)
 → 「21世紀を作っていくための基礎技術は日本が持っている」
 → SIM-Drive
 → 電気自動車:EVは、中国の一人勝ちとなるのか?(10.01.21)