生産する者

「あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい。」
ネット上でちょっとした騒ぎになっている、
ジブリ宮崎駿監督がiPadに対して発した言葉だ。
騒ぎの内容には関心がないが、監督の的確なコメントで考え込んでいる。
iPadを購入し、話題のAppをインストールし、一通り使ってみた。
ほとんど無料Appなので、偉そうなことは言えないが、
iPad自体の使用頻度は、かなり落ちている。

使わなくなったことで、iPadがダメだという訳ではない。
これはこれで、今後ますます拡がっていくと考えている。
使わない理由は、冒頭の一言に尽きると思う。
そう、「生産する者」になりたいからである。
情報耕房と称して始めた歩み。
耕房に、耕し、実りを得るといった意味を込めた。
生産する者を目指したのである。


30年近くのコンピュータとの付き合い。
その中で、どれほどの物を生産したのか。
振り返ると、余りの少なさに驚愕し、意を決して始めたはず。
いつしか、その出発点を忘れ、日々の雑用に忙殺。
単なる消費者として、流される情報を見て、溜めて、コメントする。


情報消費の道具としてのiPadは、実に良くできている。
情報を探す、見る、楽しむ、伝える...
しかし、その後に残る物はと言えば、いささか心許(もと)ない。
iPadiPadであり、ノートパソコンの代役ではない。
iPadは、その優れたインターフェースと快適な操作性で、
ネット社会のナビゲーター的な役割を担う。
すべてをiPadのみで済ませようとするところから、事が複雑に。
魅力的なるが故に、生産する者と消費する者の境目が希薄になる。
そのことを言葉として明確に伝えていただいた。


以上が、この数日気になっていた事だ。
例によって、ブログでリンク記事を書こうと目論んだのだが、
なかなか書けなかった。
3日連休の最後の日。
ようやく、頭の整理がついたところだ。


いくつかの関連記事を備忘録としてリンクしておく。