ワクワク、ドキドキ

各社からスマートフォンが発表されている。
売り場でちょっとだけさわった。
なんだかつまらない。
各社が、持てる力を結集し、
いくつもの機能を詰め込んでいるのだろうが。
所詮、iPhoneの二番煎じと思うと、
ワクワク感が出てこない。



地デジも同じだ。
旧式ブラウン管テレビを、ときどき見ている。
Macに地デジチューナーをつけているので、
このテレビで見る機会はあまりない。
冬場、コタツに入って、ごろ寝で見るには欠かせない。
だからといって、必要不可欠とまではいかない。
なければないで、構わない。
それが、7月で見られなくなる。
こののままでは映らなくなるので、買い換え。
煩わしいと感じる。
地デジに変えても、放送内容はそのままだ。


浜岡原発がやばい。
やばいものは、やめちまえ、と全原子炉停止
節電が必要。
使用量の15%削減を
休日を、土日から木金へ移行
代替エネルギーは、太陽光だ、風力だ。
何かと非日常的な話題で溢れている。


こうしたニュースに、なんとなく違和感を感じる。
もともと冷房は使わないし、
テレビもほとんど見ない。
外食は月に1、2回程度。
夜は、10時前には寝る。
これで15%の節電をどうすればいいのか。
マックの社長の批判記事にも同情する。


いずれも後ろ向きというか、
穴を埋めていくような作業だ。
変化への展望がないまま、現状維持の受け身姿勢。
まさしく、「最小不幸社会」の在りようなのだろう。
後ろ向き、事なかれ主義。
冒険はしない。
危ない、怪我する、だがらストップ。
若者は希望を失い、壮年は生きる気力をなくす。
さらには、「最小不幸社会」実現に向け、
多くの若者を、お年寄りの介護サービス従事へと誘(いざな)う。
介護ビジネスは成長産業だそうだ。

グリーン・イノベーションによる健康分野の戦略──2020年までに医療・介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創出により、新規市場約50兆円、新規雇用284万人を目標としている。
→ 未来の雇用を確保する、民主党による5つの施策!



何度聞いても、ワクワク、ドキドキといったトキメキ感がない。
求職者に、どのような夢を持たせられるのか。
医療や介護などの分野を成長産業分野と呼べるのだろうか。
こうした職場で働く人々が感じる幸せとは、何だろう。
不幸ではないだろうが、
不幸の反対が、幸福ではないはずだ。
単に、不幸ではない、というだけ。
不幸と感じる度合いが低いというだけで、
決して、幸福だとは言い切れない。


テレビがなかった時代に、
白黒でも、テレビを見られることは幸せだった。
こころがワクワク、ドキドキしていた。
白黒からカラーになったときも同じだ。
それが、地デジに変わることで、どれだけトキメキ感がでるのか。
それは、コンテンツ(内容)の低俗化と相まって、
見るも無惨な状況になっている。


日本の産業界自体が、介護ビジネスの様相を呈しているのかもしれない。
産業界自体が、あらたな製品を開発する力をなくし、
これまでの製品を、手直ししながら生産を続けている。
過去の栄光に浸り、自ら蓄えた資産で、
多くの若者を侍(はべ)らせ、
ただ、死の訪れをまつ。
可能であれば、その到来の一日でも遅いことを願いながら。


こうした後ろ向きな考え方からの脱却こそが、いま必要だろう。
ワクワク、ドキドキするような施策。
若者が目を輝かせて、損得抜きに飛び込める施策。
人々がアッと驚くようなイノベーション
それは、技術であっても、サービスであっても構わない。
若者が、夢を語り、明日に向かって前向きに努力できる。
そういう社会を目指すことが、必要だ。
まさしく、「最大幸福社会」と言っても良いのだろう。

最小不幸社会を目指す菅首相の経済政策の基本は強固な再配分と、結果の平等の徹底である。しかし今、日本が必要としているのは、再配分や結果平等よりも、もっと前向きの政策である。後ろ向きの最小不幸社会をもじって表現すれば、「最大幸福社会」の実現をこそ目指すべきときだ。
→ 日本は『最大幸福社会』を目指すべきだ



いま、ここから、新たな未来を創り出す。
そのために、今日を生きる。
明日を信じて、いまを生きる。
自分自身がワクワク、ドキドキする事を、
ひたすら求めて、やり続ける。
利害打算ではなく、
自分自身の感性を信じ、
自分のなかの、こころの声を信じて、
前に進むことだろう。


まさに、
「僕の前に道はない、僕の後ろに道はできる。」
ワクワク、ドキドキを求めて、
若者も、壮年も、老人も、
道を究めよう。
そのためのマイルストーンとして、
道標、一里塚として、
何らかの立ち位置を、示すことができれば幸いだ。

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため


→ 道程 高村光太郎