ハブ

「ハブが欲しいんですよ、ね。
きっかけというか、つながり、動き出すための。」
先日から自営の方向でお話ししていた方が、
ポツリ、とつぶやいた。
「そうか、皆をつなげる母港が必要なんだ。」

林檎社のデジタルハブと絡めながら、
今週の言葉は、「ハブ」だなと思った。


コンピューター屋としては、
「ハブ」といえば、
コンピューター同志などをつなぐための装置を思い出す。
複数台の機器をネットワークで利用するのに、
不可欠の道具だ。


さらには、ハブ空港という表現も浮かぶ。
あらためて、「ハブ」の意味を調べてみた。

ハブ(hub):
1:車輪の中心部。また、自動車の車輪を取り付ける部分の円板や、航空機用エンジンのプロペラを取り付ける金具。
2:中心。中核。
3:コンピューターシステムで、複数の端末を集めて連結する中継器。



こうした意味から推測すると、
核になるもので、動きの中心として、
ぶれることなく、偏ることなく、支えているもの、
と考えると良いようだ。


さらに、デジタルハブやハブ空港となると、
データや飛行機などが、
立ち寄れる場所、保管できる場所、
といったニュアンスで、
航空母艦をイメージするにいたった。
母なる存在とでも言えば良いのだろうか。
飛び立った飛行機が、
任務を終え、戻り、休養する場所だ。


ハブ〜母親的な要素が求められるのかもしれない。
航空母艦」は、英語では、"mother ship" とあり、
きわめてわかりやすい。
さらには、 "carrier" とも表記されるようだ。
「キャリア〜運ぶための乗り物」といった意味だが、
自分が関わっている "career" という単語とも、
若干関係がありそうだ。
偶然の一致に、少々驚いた。


いずれにしても、母艦という概念が、
「ハブ」として求められているとの思いが強い。
個々に活動し、必要があれば戻って、休む。
そうした働きが、求められているのだろう。


コンサルタントが、どちらかというと指示的で、
父親的な立ち位置に対して、
受容を主体としたカウンセリングという、
母親的な関わりを求められている。
企業戦士として戦い、
疲れた心身を、休めつつ、次の活躍の場を目指す。
そうした機能を持った存在。
それが、冒頭の「ハブ」が必要という気持ちにつながるのだろう。


これからの、自分の立ち位置、
作るべき組織の機能など、
この「ハブ」という言葉を元に、
構想していくと良いと、知らされた。