iPhoneでアプリ

久しぶりに紀伊国屋へ。
1年以上になるのだろうか。
じっくりと、iPhone関係の書籍を読み込んだ。
平積みで開発環境に関するコーナーと、
初心者向けのiPhone使いこなしに関するコーナーが。


昔は授業の合間に時々顔を出していた。
初めはMac関連のマルチメディア技術。
それからLinuxが加わった。
Winに関しては、書籍で追っかけることは少なかった。
数年前からはWeb関連の書籍を探しに来た。
10数年勤めた学校を解雇され3年目だ。
今回は自分のために書籍を購入。
ようやく自分のために生きて良いのだと感じた。


これまでの歩みを考えると、
何を教えるか、ばかりを求めていた。
二年後卒業する学生に対し、何を伝えるか。
来年、再来年はどういう技術が必要になるのか。
そのために今何を学ぶべきなのか。
自分の興味からではなく、IT技術を担当する責任者としての歩みだった。
好きなことではなく、必要とされる技術。
いわゆる稼げる技術の伝授が目的だった。


いつしか面白かった情報技術関連の学びも、
惰性の中で、興味から仕事に変化した。
職場と自宅で、パソコンに向かい、
毎日新しい情報を仕入れ、吟味し、教えていた。
3年前に解雇となり、それでも次の就職先をと考えながら、
学びを継続していた。


昨年、別の職場に就職し、半年の授業を行った。
授業自体は新鮮であったが、教える内容には疑問だった。
これから必要とされる技術って、どうあるべきなのだろう。
イノベーションと称され、次から次へと新しい技術が普及する。
2年間の学びで、いかほどの習得が可能なのか。
そもそもIT技術は教えられる技術なのか。
教師として、何を教えればいいのか。
改めて考えさせられた。


いま、ほとんど接点がない仕事に就いている。
情報処理教育を再考すると、
再開しようという気にはなれない。
iPhoneへの学びも躊躇していた。
いまさらアプリの開発などしたって、教えるわけないし...
発売当初から興味を持っていたし、
前職であったなら、もっと早く購入していただろう。
当事者としてではなく、傍観者として眺めていた。
はやる心を抑えつつ。


購入して1ヶ月近くになる。
使い込むにつれて、魅力にはまっていく。
充分ではないにしろ、新しいデバイスとしての可能性を感じている。
それは、コンピュータ業界に入るきっかけとなった理由から来るものだ。
教える必要性がなくなり、
再び学びを始めようと考えている。


語学学習の効率化がコンピュータ業界に入った原点だ。
それが教師となり、コンピュータを教えることに力点が動いた。
いつしか語学への興味が薄れ、
学びに割ける時間が激減。
毎日行っていた英語の音読も数年来やっていない。
リスニングの力は落ちないが、スピーキングに関してはもどかしい。
中国語も同じ状態だ。
幸い漢字の国なので、読むことはそれほど困らないが、
聞き取りと発話に関しては、進歩していない。


さらに日本語の教師として生きた時もあった。
英語圏、中国語圏だけであるが、数年教えていた。
そこでは教えるための教材制作が懸案事項であった。
そのためにワープロを習得し、コンピュータの利用へと進んだ。


Macintoshを購入し、教材開発の試行はしたが、
結局思うような成果は出していない。
そのモヤモヤした思いが、iPhoneをいじっていると、
少しずつ頭の中で、浮かんでは消えている。
もう一度、おそらく最後のチャレンジになるのだろうが、
プログラム開発に進んでみようかなという気持ちになっている。
自分のための学習用ソフトを作ってみよう。
自分が良しとすれば、幾人かの人びとに知らせ、
その良さが、その人たちの助けになるかも知れない。
そういう思いが、今日の行動へとつながっている。


どういう結末になるのか。
自分自身でも楽しみであり、
自分の意識も、再度チューニングし直して、
始めようと思っている。


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