選ぶ

自分に必要な情報を選ぶ。
やさしいようで、難しい。
ネットの普及で、幅広く、多くの情報を集めることは容易になった。
時間さえかければ、
それなりに量としては、入手することができる。



ネットを彷徨うことしばし、
検索し、たどり着いたページをブックマーク。
問題は、そこからである。
集めた情報の中から、ほんとうに必要なものに出会うのは、
至難の業と感じる。
時が経つにつれ、ブックマークだけが増え、
やがて、その中身さえ覚えていない状況に。


書籍などの情報にしても、
一通り買いそろえて「積ん読」するわけだが、
これまた、時間がかかる作業となる。
研究者のように、書籍を読み、
考えをまとめるのが仕事であれば良いが、
通常は、職場でさまざまな業務に携わっている。
朝晩の限られた時間に、書物をひもとき、
思索し、考えをまとめるなど、物理的にも難しい。


こうした情報に加え、最近はビデオ情報も豊富にある。
名が知れた人たちの講演やインタビューから、
有名大学の授業にいたるまで、数多くのビデオが公開されている。
日本語のほかに、英語、中国語などの公開ページも多数。
いったい、いつ見ればよいのかわからない。
見たいと思いつつ、まとまった時間を捻出できない。


かって、「情報選択の時代」という本の中で、
溢(あふ)れる情報に、どう向き合うかを学んだ。
当時でも、情報の多さに苦慮していたが、
いまの時代を考えると、その多さは半端ではない。


「情報耕房」は、そうした中から生まれた言葉だ。
情報を多く集める作業。
その中から、必要な情報を選ぶ作業。
さらに、集めて選んだ情報を組み立てる作業。
こうした一連の過程を経て、自分に必要な情報ができる。
この流れを、「耕房」に託した。


集め、理解した情報を他へ伝える場合、
さらに工夫が必要となる。
牛が食べた藁(わら)を反芻(はんすう)するように、
語る相手の顔を思い描きながら、
伝えたい情報を、並び替え、組み立て、語る。


まだまだ、道半ばだ。
情報を建築する。
Information Architect(情報建築家)。
「情報選択の時代」を書いたワーマン氏が始めて使ったとされる。
20年以上前に書かれた書籍だが、
いま読み返しても、その内容は古さを感じない。
ようやく始まった「学びの会」を通し、
あらためて、自分の役割について考えている。



→  情報選択の時代: リチャード・S. ワーマン
→ 『理解の秘密』リチャード・ワーマン 松岡正剛の千夜千冊
→ 情報選択の時代(読書メモ)
→ Passion For The Future: それは「情報」ではない
→ 「情報選択の時代」: 内田洋平 BLOG
→ LATCH - 5つの情報の整理棚
→ TED (カンファレンス) - Wikipedia